オープンダイアログ:森川すいめい(精神科医)さんと平田オリザさん(演出家)との対談

【オープンダイアログ】森川 すいめい (精神科医)さんと、劇作家・演出家の 平田 オリザ (Oriza Hirata) さんとの対談会が岐阜県の 可児市文化創造センターalaでありました。

対談テーマは「広場としての劇場」云々となっていていましたが、自分が何より聞きたかったのは、森川すいめいさんの「オープンダイアログ」「ハウジングファースト」「自殺希少地域」の話でした。最近、社会的話題になりつつあるそれらについて森川すいめいさんから直接お話が聞けるというので参加してきました。

(1)「オープンダイアログ」のイメージの実演がありました。

オープンダイアログとは、精神疾患などを抱えた人が、自分らしさを取り戻すように対話を進めていくものです。投薬治療を検討する前から行うものです。自分は会場参加者でしたが、オープンダイアログのイメージづくりのために実演に参加させてもらいました。オープンダイアログはそれくらい患者に関係する多くの人を巻き込んで対話をすることにより、患者さんが周囲の人の関係性の改善を通じて、自分らしさを取り戻していくというものでした。ニード・アダプティッド・トリートメント Need-Adapted Treatment(ニーズに合わせた治療)の考え方に沿うものです。北欧フィンランドのケロプダス病院では、オープンダイアログを行った患者さんの8割が半年後には就労・就学を果たしているとの話もありました。森川すいめいさんもオープンダイアログが好きで、フィンランドに年4回も行くほどだそうです。

(2)「#ハウジングファースト」とはホームレスの人々を支援していく上で、まず先に、住まいと提供をしようという考え方です。カナダなど欧米の複数の国では国策として行われているそうです。ホームレスとは日本では「路上生活者」を意味していますが、広くとらえれば住まいのない生活困難者(ネットカフェ難民等)も含まれ、日本では30万人いるようです。支援を通じてその人に課題を与えて、その人らしさを削ぎ落していくのではなく、ニード・アダプティッド・トリートメント Need-Adapted Treatment(ニーズに合わせた治療)により,その人が自分らしさを取り戻すことにより生活を回復するというものです。

(3)「自殺希少地域」では、互いに監視するということはなく、挨拶程度の関係性で、いざとなればお互いに助け合う関係性が見られるとのことで。対話をする工夫、関係者が輪になることが大切なのだそうです。対談相手の平田オリザさんは、日本では2つの不幸が重なると最貧困に陥るとおっしゃっていました。精神障碍者やホームレスの人々を支援をするのは、一方で「自己責任」として本人に押し付けて見捨てるとの考えもあるが、むしろ社会的に包摂(ソーシャル・インクルージョン)していく方が、社会的にはメリットが大きいことを強調しておられました。日本では、高度成長・バブル時代以降から転換となり、少子高齢化、格差社会、多死社会、認知症急増、社会的不安となる変な事件(新幹線での殺傷事件や、相模原の事件等)が毎月のように頻発する中で、自分らしさを取り戻す対話の重要性、当事者のソーシャルインクルージョン(包摂性)の大切を感じました。会場のホールのなかを縦横無尽に動き回る森川すいめいさんがみられました。また森川すいめいさんが参加されるイベントがあれば、参加してより詳しく聞いてみたいと思いました。#NeedAdaptedTreatment#NeedAdaptedCare