巨匠の絵画にみる「四季」アルチンボルド ザクセン選帝侯への想い 16日

巨匠の絵画にみる「四季」アルチンボルト 16日

巨匠の絵画にみる「四季」

 実に感心し、面白かったです!果物や野菜や木で作られた奇怪な人間の顔の絵を美術の教科書などで誰でも一度は見たことあると思いますが、実はこの奇怪な絵には「同盟」と「平和の維持」「外敵からの防衛」という高度なメッセージが込められていたことが分かりました。これまでは「だまし絵」のような奇抜な絵にしか思えませんでしたが。

 浜松で ベルギー王立美術館 の公認解説者であり美術史家の森耕治先生を講師とする「 巨匠の絵画にみる四季 」と題する講演を聞き,ルーブル美術館に所蔵されており,この作品がレオナルドダビンチと並ぶ天才といわれた「アルチンボルド」という16世紀の画家が作成した「四季」という,神聖ローマ帝国の皇帝が諸侯であるザクセン候にプレゼントするために作成させた凄い作品であることを知りました。

アルチンボルドとは?

ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo、1526-1593年)は、イタリア・ミラノ生まれの画家である。16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍し、神聖ローマ皇帝フェルディナント1世から宮廷画家の命を受け、マクシミリアン2世、ルドルフ2世の3代に仕えた。

絵の作成を依頼した神聖ローマ帝国の皇帝マクシミリアン2世は,当時オスマン帝国(トルコ)と宿敵フランスに東西を挟まれ、国内もカトリックとプロテスタントとの宗教戦争の内戦の危機に直面して,苦しんでおり,この絵は宗教対立するプロテスタントの最有力者だったザクセン選帝候フリードリヒ3世に対し「感謝」と「協力を仰ぐ」ために,わざわざ作成されたもので、絵に描かれ顔を構成している野菜や果物にはそれぞれ重要な意味があってメッセージが込められていたものだったのです。

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アウグスト1世 (ザクセン選帝侯)とは?

アウグスト1世 (ザクセン選帝侯)

アウグスト1世(August, 1526年7月31日 – 1586年2月11日は、ザクセン公ハインリヒ4世の末子、選帝侯モーリッツの弟としてドイツのフライベルクで1526年7月31日に生まれました。1553年から1586年まで ザクセン選帝侯でした。

こうしたことが森耕治先生の丁寧な解説で分かると,この絵画が奇抜なものと違って,とても「崇高」に見えるようになりました。

森耕治先生 ぎふ講演 日本ベルギー友好150周年記念事業

 森耕治先生には4月22日(金)に岐阜駅のとなりの「じゅうろくプラザ」に来ていただいて,こうした「四季」など「ルーブル美術館作品集」をテーマに講演をしていただきます。 講演には「日本ベルギー友好150周年」記念事業の認定と「ベルギー王国大使館後援」をはじめ、岐阜県、岐阜市、岐阜市教育委員会の後援を得ています。これから広報していきますので、よかったらぜひ森耕治先生の「愛と希望」をもたらす感動の美術史を聞きに来てください。