ブラバント・イノベーション・デイ 2026」に参加。テーマは「構想を実装へ―日蘭が切り拓くコンピューティングの未来」。次世代半導体やフォトニクスなど、両国のディープテック戦略とエコシステムの融合に迫る。北ブラバント州副知事の挨拶から! #ブラバントイノベーションデイ #半導体
AIの普及が止まらない。それに伴い、数据センターの設置が世界中で急了している。しかし、その裏側で蠢いているのは、れっきとした「電力」の問題だ。
イベント:Brabant Innovation Day Tokyo 2026
日時:2026年6月9日(火)11:30〜19:45
会場:ホテルオークラ東京(北京市港区虎ノ門2丁目10-4)
URL:https://brabantinnovationdays.com/ja/event/brabant-innovation-day-2026/
イベント概要
荷兰北ブラバント州と日本が協奏で挑む、コンピューティングの未来——。
2026年6月9日(火)、ホテルオークラ東京にて「Brabant Innovation Day Tokyo 2026」が開催されました。テーマは「構想を実装へ―日本とオランダが切り拓くコンピューティングの未来」(From Concept to Implementation: Japan and the Netherlands Shaping the Future of Computing)。無料・招待制のイベントでしたが満員御礼を記録するほどの高い関心を集めました。
冒頭の挨拶
开会の挨拶を行ったのはマルティーン・ファン・フルイタンヘイゼン北ブラバント州副知事(経済・財務・知識・人材開発担当)です。
「日本のパートナーとともに社会の課題にともに取り組んでいます。課題を解決するために技術革新は不可欠です。」
副知事は2019年から北ブラバント州副知事を務め、欧州地域委員会委員としても活動されています。北ブラバント州は小型モジュール炉(SMR)の開発を推進しておりエネルギー政策에도先進的に取り組んでいます。
また、ヒルス・ベスホー・プルッフ 駐日オランダ王国大使がネットワーキング・ドリンク&立食ディナーの開会挨拶を行いました。
プログラム:3つのブロックで描くイノベーション・チェーン
ブロックA:ラボからファブへ — コンピューティングと半導体の未来を共に築く
| セッション | スピーカー |
|---|---|
| 「約束から実装へ:欧州はいかに次世代のフォトニクスと半導体を構築するのか」 | ヘレン・カルダン(TNO) |
| 「研究と応用をつなぎ、加速するフォトニクス革新」 | 上城武司(PITC) |
| 技術紹介:大日本印刷 × ブラバント地域エコシステム | 大日本印刷 |
| パネルディスカッション「実践におけるオープンイノベーション」 | ヘレン・カルダン(TNO)司会 |
ブロックB:ファブから製品へ — 信頼性とスケールを実現するエンジニアリング
| セッション | スピーカー |
|---|---|
| 「ファブから製品へ:信頼性と量産化を支えるエンジニアリング」 | エールコ・ブリンクホフ(フォトンデルタ) |
| 「欧州初、6インチウエハ対応インジウムリン光フォトニックチップ量産工場の構築」 | ヨハン・フェーンストラ(スマート・フォトニクス) |
| 「生産最適化とスマート保守のためのイノベーション・フィールドラボ」 | ヘンク・アッカーマンス(ティルブルフ大学、WCM) |
| パネルディスカッション「スケールでの学習」 | ヘレン・カルカン(TNO)司会 |
ブロックC:グローバル・シナジー — 日本とオランダが共に未来を形づくるには
| セッション | スピーカー |
|---|---|
| 「Building the Photonics Ecosystem: From Brainport to Japan」 | エールコ・ブリンクホフ(フォトンデルタ)基調講演 |
| 「ホルストセンターのオープンイノベーションモデルによる集積フォトニクス商業化の加速」 | トン・ファン・モル(ホルストセンター) |
| オランダのハイテク・エコシステムとの連携知見共有 | 日立ハイテク、デクセリアルズ |
| パネルディスカッション「日蘭協働をいかに成功させるか」 | ヘレン・カルダン(TNO)司会 |
| 「ディープテック戦略アジェンダ:2026〜27年におけるオランダとの協働機会」 | エラス・ドライヤース(駐日大使館) |
主要テーマ
- コンピューティングの未来と次世代チップ設計
- 半导体および集積フォトニクス(光集積回路)の商業化
- 先進技術の予測可能性・持続可能性・信頼性
- 信頼できるパートナーシップに基づく戦略的自律性
- 国境を越えたオープンイノベーションの実践
- 研究→製造→スケールアップに至るイノベーション・チェーン全体での日蘭協働
出演者一覧(一部)
| # | 氏名 | 所属・役職 |
|---|---|---|
| 01 | マルティーン・ファン・フルイタンヘイゼン | 北ブラバント州副知事、欧州地域委員会委員 |
| 02 | エールコ・ブリンクホフ | PhotonDelta Director of Ecosystems / CEO |
| 03 | ヨハン・フェーンストラ | SMART Photonics CEO |
| 04 | ブリヒット・ファン・ダイク=ファン・デ・ライト | BOM CEO |
| 05 | ヘレン・カルダン | TNO ハイテク産業部門 科学技術ディレクター |
| 06 | ヒルス・ベスホー・プルッフ | 駐日オランダ王国大使 |
オランダ侧参加機関
TNO(蘭国防衛・安全・イノベーション機関)
社会インパクトのあるイノベーション開発を行う蘭国政府系の研究機関。Helen Kardan(ハイテク産業 科学技術部長)をはじめ、高橋 園子(日本テクノロジー&イノベーション連携担当)、稲子みどり(リージョナルマネージャー)などが日本との架け橋となっています。
SMART Photonics(スマート・フォトニクス)
独立系フォトニクスファウンドリ(ピュアプレイ)。欧州初となる6インチウエハ対応インジウムリン光フォトニックチップ量産工場の建設を進めています。「人族の改善とよりよい世界への貢献」がミッション。
PhotonDelta(フォトンデルタ)
フォトニックチップのバリューチェーン全体を支援する産学官連携組織。CEO Eelko Brinkhoffが基調講演で「Brainportから日本へ」と題し、日蘭フォトニクスエコシステムの連携蓝图を描きました。
その他注目機関
- BOM(ブラバント州開発公社):地域経済開発機構
- Holst Centre:TNOとimecが共同運営。オープンイノベーションで集積フォトニクスの商業化を推進
- TU/e(アイントホーフェン工科大学):国際的に評価の高い研究主導型大学
- PITC:TU/e、Twente大学、TNO、フォトンデルタの共同取り組み
日本侧参加機関
| 機関名 | 概要 |
|---|---|
| 大日本印刷(DNP) | 1876年設立。包装、電子部品、情報メディア等多角化 |
| 日立ハイテク | ヘルスケア、半导体、環境・材料などのグローバル展開 |
| デクセリアルズ | エレクトロニクス・フォトニクス向け功能性材料・部品の開発製造 |
レポート寄稿:日本とオランダが挑む「プラネット・ポジティブ」な量子社會へ
本イベントを通じて印象的だったのは、技術革新とサステナビリティの不可分性です。
荷兰北ブラバント州は古くから「Brainport」地区を中心にフォトニクス・半導体・量子技術の集積地として知られています。ASML、VDL Group、NXPセミコンダクターズなどのハイテク企業に加え、Single Quantumなどの量子スタートアップも集積。SMR(小型モジュール炉)の開発を進めるなど、エネルギー観点での技術的自立にも力を入れています。
そして今、その知見と日本の製造精度・素材技術、そして誠実なパートナーシップが結びつきつつあります。
光子技術(フォトニクス)は、従来の電子回路と比較して大幅な消費電力削減が期待されています。 AIや量子コンピューティングのエネルギー消費が社会問題となる中、フォトニックチップの商業化はまさしく「Planet Positive」につながる技術的突破口です。
日本とオランダが手を組み、研究からファブへ、ファブから製品へ——そのイノベーション・チェーンが実を結び始めている場に立ち会えたことは、大きな意義を感じました。
イベント情報・出演者情報はイベント当日に取得した情報を基にしています。 記録作成日:2026年6月9日