スウェーデンが始めて、メキシコが2番目――「フェミニスト・ディプロマシー」とは
2026年5月7日、メキシコ大使館で開催された外務省後援の講演イベントに参加しました。登壇したのは、活動家でありIPPF(国際家族計画連盟)事務局長を務めるマリア・アントニエッタ・アルカルテ氏です。テーマは「フェミニスト・ディプロマシー(フェミニスト外交)」。これは、外交政策のあらゆる局面にジェンダー平等の視点を取り入れる革新的なアプローチです。
スウェーデンが世界で初めてこの方針を導入(2014年頃)し、メキシコがすぐに続きました。カナダやリトアニアなども追随しています。
メキシコの国旗と大使館の様子


フェミニスト・ディプロマシーの4つの柱
- 1女性のリーダーシップ拡大 ― 外交の意思決定層における女性比率の向上
- 平和・安全保障への女性参加 ― 紛争解決・安全保障に女性の視点を導入する
- ジェンダー平等の国際基準の設定 ― 各国に平等な基準を求める
- 人道的問題解決への女性視点の導入 ― 避難民支援なども女性視点で捉える
「フェミニスト外交はスローガンではなく実践である」(アルカルテさん)という言葉が印象に残りました。
関連組織 IPPFとJOICFP
今回の講演では、IPPF(国際家族計画連盟) と JOICFP も登場しました。
IPPF は世界最大の性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を推進する国際NGO。120カ国以上の加盟協会を通じて、年間約2億件のサービスを提供しています。
JOICFP(家族計画国際協力組織) は1970年代から日本政府の支援を受けて活動する国際NGOで、UNFPAやIPPFと連携しながら、アジア・アフリカを中心にSRHR関連事業を展開しています。
これらの活動の根幹にあるのが、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)という概念です。
境界を越えて響き合う志 ジョイセフの歩み
マリアさんが語る「資源(Resources)」の重要性をマイクから聴いていながら、私は日本から世界へ支援を届けるJOICFPの姿を重ね合わせていました。IPPFと手を結びながら、現場の切実な現実に光を当て続ける彼らもまた、フェミニスト外交の実践者といえるでしょう。
たとえば、アフリカのザンビアやタンザニアでは「母子保健の質の向上」を目的とした取り組みが行われています。そこでは単に医療機材を贈るのではなく、地域住民が自らいのちを 守る「保健推進員」として立ち上がるための支援が続けられています。一人の女性の命を守ることが、家族、そしてコミュニティ全体の希望へと繋がっていく。その連鎖こそが、フェミニスト外交が目指す「代表(Representation)」の具体的な姿に他なりません。
また、日本国内においても、JOICFPはSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の普及に心血を注いでいます。若者たちが自分の身体について正しい知識を持ち、自らの意志で人生を選び取れるように――。マリアさんが説く「身体の自由」という願いは、遠い異国だけでなく、私たちのすぐ足元にも根を張ろうとしています。
パネリストの発言から
パネルディスカッションでは、メルバ・プーリア大使のいくつかの言葉が心に留まりました:

- 「スウェーデンが最初、メキシコは2番目の導入国である」
- 「ジェンダー平等は女性だけの問題ではない。全員を巻き込まなければならない」


おわりに
フェミニスト・ディプロマシーを使うと、能登半島地震の支援のように、「女性だからこそ見落としのリスクがある課題」に光が当てられます。外交政策や社会課題に関心を持つすべての方にとって、今後ますます重要なキーワードとなるでしょう。

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