「学ぶとは誠実を胸に刻むこと」京都賞・甘利俊一博士と「誠実の詩人」ルイ・アラゴンに学ぶ教育の役割

京都賞のメダル
私が撮影した第40回京都賞のメダル

AI時代の警鐘と希望
甘利俊一博士と「誠実の詩人」ルイ・アラゴンに学ぶ教育の役割

京都賞のメダル
私が撮影した第40回京都賞のメダル

昨日(11月11日)、私は第40回京都賞の記念講演で、情報科学者、甘利俊一博士の講演を聴講しました。AIの進化に熱狂する現代において、博士が語ったのは、最先端の知性による極めて厳しい「警鐘」でした。

その言葉は、単なる技術論ではなく、人類の未来、そして私たち自身の学びの根幹に関わる危機を示しており、私の思考を根底から揺さぶりました。

「教えるとはともに希望を語ること、 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

(ルイ・アラゴン)

1. 甘利博士が警鐘を鳴らす「人類の家畜化」とは

甘利博士の指摘は、AIが「便利すぎる答え」を提供し続けることで、人間が自ら複雑な問題を深く考える努力を放棄してしまう危険性です。

  • 🔥 思考力減退: 検索や生成AIに頼りきりになり、情報を検証したり、多角的に検討したりする知的労力を省く。
  • 🗣️ ポピュリズム蔓延: 思考力が弱まった結果、複雑な社会問題を単純化・感情的に訴えかける意見に容易に流される。
  • ⛓️ 人類の家畜化: 最終的に、自らの意志で判断する能力を失い、AIやそれを操る権力に依存し、自律性を失った状態に陥る。

2. 誠実の詩人:ルイ・アラゴンとは何者か

(1) 激動の時代を生きたレジスタンスの英雄

ルイ・アラゴンは、ナチス占領下のフランスで、ペンを武器に変え、レジスタンス運動に身を投じました。彼の詩は、絶望的な状況下にある国民にとって、希望の源となりました。

(2) 「希望」と「誠実」に込められた意味

教えるとはともに希望を語ること: 教育は知識伝達ではなく、教師と生徒が同じ未来の困難に立ち向かい、その解決と創造を一緒に担う力(希望)を与える行為である。

学ぶとは誠実を胸に刻むこと: 学びとは効率的な知識の詰め込みではなく、真理に対して正直であること、社会に対して責任を持つという道徳的態度(誠実)を心に刻む行為である。

3. AI時代に教育が果たすべき具体的な役割

【教育機関の役割:希望を育む】

提言される教育AI時代の効果
批判的思考力の徹底AIの出力、ネット情報を鵜呑みにせず、情報の真偽、出所を自ら検証する能力を育む。
対話と討論の場異なる価値観を持つ他者と議論を交わし、多様性を理解し尊重する姿勢を養う。
倫理と哲学の必修化AIが最適解を提示しても、人間が「何が善いか」を判断する軸を持つための倫理観を涵養する。

【学ぶ者の実践:誠実を刻む】

学ぶ者がすべき実践AI時代の効果
自ら問いを立てる習慣AIを「答え」でなく「問いを深める道具」として活用し、知的誠実さを持つ。
知識の主体的な消化AIに要約させず、自ら吟味し、自分の言葉で再構成して表現する訓練を積む。
「非効率な」学びの享受人生や社会の複雑性を学ぶ分野を避けず、時間をかけて探求する姿勢を持つ。

AIは、私たちから思考力を奪うものではなく、むしろ「人間が本当に考えるべきこと」を問い直す鏡です。

甘利博士の警鐘とアラゴンの「希望」と「誠実」の言葉を胸に、私たちはAI時代を自律的に生きるための教育を再構築しなくてはなりません。