「中央アジア+日本」対話・第14回東京対話(「伝統文化の保存と産業展開・国際活動への活用」)
外務省主催の「(CA+JAD)「中央アジア+日本」対話・第14回東京対話」(「伝統文化の保存と産業展開・国際活動への活用」)公開シンポジウムを傍聴しました。
会場は、これからの日本と中央アジアの新たな協力関係を予感させる、熱気に満ちた空間でした。

「伝統文化の保存と産業展開」という戦略的視点
英利アルフィヤ外務大臣政務官のご挨拶から始まった今回のテーマは、「伝統文化の保存と産業展開・国際活動への活用」。これは、2025年12月の第1回首脳会合で採択された「東京宣言」を具体化するための、極めて重要なステップです。
単に「古き良きものを守る」という情緒的な議論にとどまらず、伝統文化をいかに現代の産業価値として再定義し、国家ブランディングの基盤となるソフトパワーへと昇華させるか。中央アジア5か国のパネリストから語られた実例は、日本の地方創生やリスクコミュニケーションの観点からも、多くの示唆に富むものでした。
「中央アジア+日本」対話・第14回東京対話を支える個性豊かな5か国
今回の「中央アジア+日本」対話・第14回東京対話に参加した5か国は、それぞれがシルクロードの歴史に育まれた独自の文化資源を有しています。

カザフスタン
広大な領土を持ち、遊牧民の伝統と近代的なエネルギー産業が融合。独自の意匠を凝らしたフェルト製品などの現代的アレンジが進んでいます。
キルギス
「中央アジアのスイス」と称される豊かな自然が育む羊毛文化。伝統的なフェルト絨毯「シルダック」の国際的なブランディングが注目されています。
タジキスタン
ペルシャ系の文化背景を持ち、繊細な刺繍(スザニ)やシルク織物の技術が卓越。これらを現代ファッションへ応用する試みが議論されました。
トルクメニスタン
「黄金の馬」アハルテケや、世界的に有名な手織り絨毯の産地。伝統を国家の誇りとして守りつつ、観光資源としての活用を模索しています。
ウズベキスタン
サマルカンドやブハラなどシルクロードの要衝。伝統的なアトラス(絹織物)や陶芸の産業化において、域内を牽引する熱量を感じさせました。
民族衣装をかたどった等身大パネルが迎える
会場に足を踏み入れると、中央アジア5か国の色鮮やかな伝統衣装を纏ったキャラクターたちがお出迎え。こうした親しみやすい文化発信の裏側には、日本と中央アジアの非常に戦略的で深いパートナーシップの意志が込められています。


「連結性(Connectivity)」が築く強靭なパートナーシップ

今回の対話を通じて改めて確信したのは、新たな時代の「連結性(Connectivity)」の重要性です。物流やデジタルインフラといった物理的な繋がりに加え、文化という「人間の連結性」を深めることが、結果として有事にも揺るがない強靭なパートナーシップの基盤となります。
伝統を尊び、それを未来へと繋ごうとする中央アジア各国の意志は、日本と深く共鳴します。2025年、東京から始まるこの新たな物語が、どのような具体的な形を結んでいくのか。今後の展開を注視し、私も自身の活動を通じて貢献していきたいと考えています。
