椙山フィルハーモニーオーケストラ 第58回定期演奏会 〜白い翼が響かせた歓喜と涙〜

巨大なパイプオルガンがある愛知県芸術劇場コンサートホールの舞台上で、椙山フィルハーモニーオーケストラの第58回定期演奏会を終えた直後、白いブラウスと黒いロングスカート姿の女子生徒たちが感極まって涙ぐみながらお互いに抱き合っている様子。手前には楽器を置いた譜面台や指揮台があり、客席には観客がいる。
演奏終了後、感動の涙を流し抱き合う椙山フィルハーモニーオーケストラの生徒たち。

2025年12月27日(土)。冷え込む冬の夜でしたが、名古屋・栄の街は美しい光に包まれていました。この日、私は愛知県芸術劇場コンサートホールで開催された、椙山フィルハーモニーオーケストラの「第58回定期演奏会」を訪れました。

夜の名古屋・栄の風景。ライトアップされた中部電力 MIRAI TOWER(旧名古屋テレビ塔)と、紫色に輝くオアシス21の「水の宇宙船」が写っている。

友人からチケットを譲り受け、以前から楽しみにしていたこの演奏会。会場の入口には、本公演の大きなポスターが掲げられていました。椙山女学園の中学1年生から高校3年生までの女子生徒たちが作り上げる世界。その幕開けを前に、期待が高まります。

椙山フィルハーモニーオーケストラ 第58回定期演奏会 〜白い翼が響かせた歓喜と涙〜 2025年12月27日

野心的なプログラムとひたむきな挑戦

会場に入ると、巨大なパイプオルガンがそびえ立つ荘厳なステージ。客席の明かりが消え、指揮者の中村暢宏氏が登場しました。

休憩を挟んで披露されたこの日のプログラムは、中高生のオーケストラとしては非常に重厚で、野心的なものです。

手前で広げられた椙山フィルハーモニーオーケストラ第58回定期演奏会のプログラム冊子の写真。右ページには、芥川也寸志「交響三章」とグスタフ・マーラー「交響曲第五番 嬰ハ短調」の演奏曲目が印刷されている。背景には愛知県芸術劇場コンサートホールの客席が写っている。
椙山フィルハーモニーオーケストラ第58回定期演奏会のプログラム。芥川也寸志とマーラーという、重厚な選曲が目を引きます。

客席の明かりが消え、指揮者の中村暢宏氏が登場。一曲目は、日本モダニズムの傑作、芥川也寸志の「交響三章」です。

複雑なリズムとエネルギッシュな響きが特徴のこの曲を、彼女たちは見事にコントロールしていました。若さゆえの推進力が曲の持つ「野性味」と「洗練」を引き立て、一気に椙山フィルの世界観に引き込まれました。

休憩を挟んで披露されたのは、この日のメイン、G.マーラーの交響曲第5番。演奏時間約70分にも及ぶ、プロのオーケストラでもたじろぐ巨作です。

しかし、彼女たちの音は決して臆することなく、ひたむきに音を紡いでいきました。

第1楽章の重厚な葬送行進曲。

第4楽章「アダージェット」で見せた、繊細で美しい弦楽器の歌心。

そして、勝利へと突き進む最終楽章のフィナーレ。

タクトに応え、懸命に演奏する生徒たちの姿には、技術を超えた「音楽への情熱」が溢れていました。

伝統の「威風堂々」と、白い翼が響かせた涙の抱擁

すべての演奏を終え、タクトが下ろされた瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。

アンコールは、椙山フィルの恒例であるエルガーの「威風堂々」。会場全体が温かな空気に包まれ、大団円を迎えました。

そして、幕が完全に下りた後、舞台上では忘れられない光景が見られました。

巨大なパイプオルガンがある愛知県芸術劇場コンサートホールの舞台上で、椙山フィルハーモニーオーケストラの第58回定期演奏会を終えた直後、白いブラウスと黒いロングスカート姿の女子生徒たちが感極まって涙ぐみながらお互いに抱き合っている様子。手前には楽器を置いた譜面台や指揮台があり、客席には観客がいる。
演奏終了後、感動の涙を流し抱き合う椙山フィルハーモニーオーケストラの生徒たち。

舞台上に並んだ、清らかな白いブラウス姿の生徒さんたち。

彼女たちが感極まって涙ぐみ、互いに抱き合っている様子を見て、私も思わず目頭が熱くなりました。

中学1年生から高校3年生まで、世代を超えて一つの音を作り上げてきた日々。厳しい練習を乗り越えた達成感が、その涙に凝縮されていたように感じます。

まさに「白い翼が響かせた歓喜と涙」の一夜でした。

素晴らしい音楽のギフトに感謝を込めて

彼女たちのひたむきな演奏は、技術以上の何かを、観客である私たちの心に深く届けてくれました。新しい年を迎えるための、大きな勇気と活力を与えてもらった気がします。

舞台上に並んだ、清らかな白いブラウス姿の生徒さんたち。 彼女たちが安堵と喜びで感極まって涙ぐみ、互いに健闘を称え合って抱き合っている様子を見て、私も思わず目頭が熱くなりました。

中学1年生から高校3年生まで、世代を超えて一つの音を作り上げてきた日々。厳しい練習やプレッシャーを乗り越えた達成感が、その涙に凝縮されていたように感じます。 まさに白い翼が響かせた歓喜と涙一夜でした。

この素晴らしい演奏会へ行く機会をくださったハンナさんには、心から感謝しています。おかげさまで、最高の冬の思い出になりました。

また次回の演奏会も、彼女たちのさらなる成長を楽しみに、ぜひ足を運びたいと思います。

椙山フィルハーモニーオーケストラの皆さん、素晴らしい演奏と感動を、本当にありがとうございました。

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