2025年12月27日(土)。冷え込む冬の夜でしたが、名古屋・栄の街は美しい光に包まれていました。この日、私は愛知県芸術劇場コンサートホールで開催された、椙山フィルハーモニーオーケストラの「第58回定期演奏会」を訪れました。

友人からチケットを譲り受け、以前から楽しみにしていたこの演奏会。会場の入口には、本公演の大きなポスターが掲げられていました。椙山女学園の中学1年生から高校3年生までの女子生徒たちが作り上げる世界。その幕開けを前に、期待が高まります。

野心的なプログラムとひたむきな挑戦
会場に入ると、巨大なパイプオルガンがそびえ立つ荘厳なステージ。客席の明かりが消え、指揮者の中村暢宏氏が登場しました。
休憩を挟んで披露されたこの日のプログラムは、中高生のオーケストラとしては非常に重厚で、野心的なものです。

客席の明かりが消え、指揮者の中村暢宏氏が登場。一曲目は、日本モダニズムの傑作、芥川也寸志の「交響三章」です。
複雑なリズムとエネルギッシュな響きが特徴のこの曲を、彼女たちは見事にコントロールしていました。若さゆえの推進力が曲の持つ「野性味」と「洗練」を引き立て、一気に椙山フィルの世界観に引き込まれました。
休憩を挟んで披露されたのは、この日のメイン、G.マーラーの交響曲第5番。演奏時間約70分にも及ぶ、プロのオーケストラでもたじろぐ巨作です。
しかし、彼女たちの音は決して臆することなく、ひたむきに音を紡いでいきました。
第1楽章の重厚な葬送行進曲。
第4楽章「アダージェット」で見せた、繊細で美しい弦楽器の歌心。
そして、勝利へと突き進む最終楽章のフィナーレ。
タクトに応え、懸命に演奏する生徒たちの姿には、技術を超えた「音楽への情熱」が溢れていました。
伝統の「威風堂々」と、白い翼が響かせた涙の抱擁
すべての演奏を終え、タクトが下ろされた瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
アンコールは、椙山フィルの恒例であるエルガーの「威風堂々」。会場全体が温かな空気に包まれ、大団円を迎えました。
そして、幕が完全に下りた後、舞台上では忘れられない光景が見られました。

舞台上に並んだ、清らかな白いブラウス姿の生徒さんたち。
彼女たちが感極まって涙ぐみ、互いに抱き合っている様子を見て、私も思わず目頭が熱くなりました。
中学1年生から高校3年生まで、世代を超えて一つの音を作り上げてきた日々。厳しい練習を乗り越えた達成感が、その涙に凝縮されていたように感じます。
まさに「白い翼が響かせた歓喜と涙」の一夜でした。
素晴らしい音楽のギフトに感謝を込めて
彼女たちのひたむきな演奏は、技術以上の何かを、観客である私たちの心に深く届けてくれました。新しい年を迎えるための、大きな勇気と活力を与えてもらった気がします。
舞台上に並んだ、清らかな白いブラウス姿の生徒さんたち。 彼女たちが安堵と喜びで感極まって涙ぐみ、互いに健闘を称え合って抱き合っている様子を見て、私も思わず目頭が熱くなりました。
中学1年生から高校3年生まで、世代を超えて一つの音を作り上げてきた日々。厳しい練習やプレッシャーを乗り越えた達成感が、その涙に凝縮されていたように感じます。 まさに白い翼が響かせた歓喜と涙一夜でした。
この素晴らしい演奏会へ行く機会をくださったハンナさんには、心から感謝しています。おかげさまで、最高の冬の思い出になりました。
また次回の演奏会も、彼女たちのさらなる成長を楽しみに、ぜひ足を運びたいと思います。
椙山フィルハーモニーオーケストラの皆さん、素晴らしい演奏と感動を、本当にありがとうございました。