京都賞の祭典とエリオット・H・リーブ博士の講演
2023年11月11日、京都の紅葉が美しく色づく中、知の祭典が開かれました。その名も、京都賞―Kyoto Prize。この賞は、文化や科学の分野で優れた業績をあげた方々に贈られる国際的な賞です。
今日のおやつはこれにしました。
京都国際会議場
数理物理学者のエリオット・H・リーブ博士は、多体系の量子力学を探求し、彼の講演は、難解な数式や図を用いずに、物理学の魅力や哲学的な問いを語りかけるように話されました。
私は、彼の深い洞察力と豊かな教養に感動しました。
エリオット・H・リーブ博士
私は、その受賞記念講演会に参加する機会を得ました。その場で講演を行ったのは、数理物理学者のエリオット・H・リーブ博士でした。
リーブ博士の業績
彼は、多体系の量子力学を探求してきた人物で、その業績は広く認められています。
リーブ博士の講演は、難解な数式や図を用いずに、物理学の魅力や哲学的な問いを語りかけるように話されました。彼の深い洞察力と豊かな教養に、私は深く感動しました。
リーブ博士は、アメリカ合衆国の数学者および物理学者で、プリンストン大学の数学およびヒギンズ物理学名誉教授です。彼は、主に多体系の物理学における業績を通して、物理学、化学、量子情報科学における数理的な研究の基盤を確立し、数学の解析学の発展にも大きく貢献しました。
彼の研究の一つの中心は、量子多体系、すなわち、量子力学に従う数多くの要素からなる系の数学的に厳密な解析であり、多くの要素からなる系は、多彩な振る舞いを示し、実り多い数理的な研究の土壌となっています。
リーブ博士は長年にわたり「物質の安定性」の問題を研究し、深く豊かな理論を創り上げました。この研究は、リーブ-ティリング不等式と呼ばれる解析学の成果にもつながっています。
彼の量子多体系における研究には、量子化学計算において重要な密度汎関数法の数学的な基礎付け、磁性相互作用の起源の解明、量子スピン系でのさまざまな基本的な結果の証明と解析手法の確立、「量子物質のトポロジカル相」の雛形を与えたAKLTスピン模型の提唱、多体ボース系の基底状態の解析など、枚挙にいとまがない。
リーブ博士の量子情報理論
リーブ博士の量子系での研究成果は、量子コンピュータや量子暗号など次世代技術の基盤となる量子情報理論とも深く関わっています。中でも、リーブが純粋に数学的な興味から証明した量子エントロピーの強劣加法性は、長い年月の後に量子情報理論の基礎となり、現在、この分野の教科書に必ず登場します。
以上の理由によって、エリオット・H・リーブ博士に基礎科学部門における第38回(2023)京都賞を贈呈されました。彼の業績は、現代の数理科学における巨人の一人と評価されています。
彼の著書『The Stability of Matter: From Atoms to Stars』は、彼の代表的な業績をまとめたものであり、また、彼は多くの若手研究者を指導し、その多くが現在も活躍しています。彼は、物理学と数学の両方で400以上の論文を発表しており、多作な著者である。
彼の業績は、物理学、化学、量子情報科学など広範な分野における数理的な研究の基盤を確立し、さらに、数学の解析学の分野でも大きな貢献をした。彼の業績は、現代の数理科学における巨人の一人と評価されています。
リーブ博士は、多体系の量子力学を探求し、物理学、化学、量子情報科学における数理的な研究の基盤を確立し、数学の解析学の発展にも大きく貢献しました。彼の研究は、量子多体系、すなわち、量子力学に従う数多くの要素からなる系の数学的に厳密な解析に焦点を当てています。多くの要素からなる系は、多彩な振る舞いを示し、実り多い数理的な研究の土壌となっています。
リーブ博士は「物質の安定性」の問題を長年にわたり研究し、深く豊かな理論を創り上げました。彼の業績は、リーブ-ティリング不等式と呼ばれる解析学の成果にもつながっています。さらに、彼は量子多体系における研究において、量子化学計算の数学的な基礎付けや磁性相互作用の起源の解明、さまざまな基本的な結果の証明と解析手法の確立、AKLTスピン模型の提唱、多体ボース系の基底状態の解析など、多岐にわたる成果を上げています。
リーブ博士の業績は量子情報理論にも深く関わっており、特に量子エントロピーの強劣加法性の証明は、量子情報理論の基礎となり、教科書にも取り上げられています。
彼の著書『The Stability of Matter: From Atoms to Stars』は、彼の代表的な業績をまとめたものであり、また、彼は多くの若手研究者を指導し、その多くが現在も活躍しています。物理学と数学の両方で400以上の論文を発表しており、多作な著者としても知られています。
リーブ博士の講演は、難解な数式や図を用いずに、物理学の魅力や哲学的な問いを語りかけるように話され、科学者が自身の研究を一般の人々に伝える際の重要なスキルを示してくれました。
以上の理由から、エリオット・H・リーブ博士に第38回(2023)京都賞が贈られました。彼の業績は、数理科学の分野において偉大な存在として讃えられています。
講演会での感動
この講演会に参加したことで、私はリーブ博士の深い洞察力と豊かな教養に感動しました。彼の講演は、難解な数式や図を用いずに、物理学の魅力や哲学的な問いを語りかけるように話されました。
これは、科学者が自身の研究を一般の人々に伝える際の重要なスキルであり、リーブ博士はその見本を示してくれました。
京都賞の歴史
京都賞は、1984年に稲盛和夫(京セラ株式会社名誉会長)設立による公益財団法人稲盛財団の創設した日本の国際賞です。稲盛和夫は、自分を育んでくれた世の中に恩返しがしたいという思いから、約200億円の私財を投じて稲盛財団を設立しました2。京都賞は、稲盛和夫の人生観を色濃く反映した「京都賞の理念」にもとづいて顕彰しています。その理念は、「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間にとって最高の行為である」というものです2。
京都賞は、1985年から顕彰が始まりました。第1回は、3部門の受賞者のほかにノーベル財団へも京都賞創設記念特別賞が授与されました1。京都賞を受賞後にノーベル賞を受賞する人物も増えており、現在8名の受賞者が後にノーベル賞を受賞しています。
京都賞は、毎年6月の第3金曜日に受賞候補者を発表し、11月に京都賞ウイークを開催します。その行事期間に国立京都国際会館にて授賞式が行われます。翌3月には米国サンディエゴでKyoto Prize Symposiumが、5月には英国オックスフォード大学でKyoto Prize at Oxfordが開催され、受賞者は全ての行事に参加します。3カ国の合計行事参加者は9000人を超えます。
京都賞の意義
京都賞の大きな意義の一つは、「科学」と「思想・芸術」の分野が併存していることです2。これは、「人類の未来は、科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて、初めて安定したものになる」という稲盛和夫の考えに由来しています。京都賞は、科学や技術、思想・芸術の分野において優れて顕著な功績を残した人物を讃え、人類の平和と繁栄に貢献することを目指しています。
京都賞のもう一つの意義は、受賞者の人間性や人生観にも注目していることです2。京都賞は、単に受賞者の業績を評価するだけでなく、受賞者の人となりや背景、探求者としての姿勢や哲学などにも触れることで、人々に感動や刺激を与えることを目的としています2。京都賞の記念講演会やシンポジウムなどでは、受賞者の功績だけでなく、人生観にも触れられる講演が行われます。
京都賞の過去の受賞者
京都賞は、これまでに36年間で108名の受賞者を輩出しています。受賞者の中には、ノーベル賞を受賞した人物や、世界的に有名な人物も多くいます。例えば、以下のような人物が京都賞の受賞者です。
- エドワード・ウィッテン(理論物理学者、1994年ノーベル物理学賞受賞者、2014年京都賞基礎科学部門受賞者)
- 山中 伸弥(医学者、2012年ノーベル生理学・医学賞受賞者、2010年京都賞先端技術部門受賞者)
- 黒澤 明(映画監督、1990年アカデミー賞名誉賞受賞者、1994年京都賞思想・芸術部門受賞者)
京都賞の受賞者は、それぞれの分野において革新的な業績を残し、人類の文化や文明に貢献した人物です。京都賞の受賞者一覧は、こちらで見ることができます。