カナダと日本が語る偽情報対策の最前線

講演中の桒原響子氏(中曽根平和研究所)。壇上でマイクを持ち、プロジェクターに「外国による情報操作と日本の対策」というタイトルと氏名が表示されている。聴衆の後頭部が写っている。

先日、Code for Japanとカナダ大使館が共催した「偽情報の脅威にどう立ち向かうか?ー カナダと日本の偽情報対策」に参加しました。外国からの情報操作・干渉(FIMI)が選挙に与える影響について、深く考えさせられる貴重な機会となりました。

情報操作の最前線から学ぶ、カナダの取り組み

イベントを通じて強く印象に残ったのは、情報操作が単なるデマではなく、特定の政治的意図を持った組織的な攻撃であるという認識です。カナダ即応メカニズム(RRM Canada)のサリュー・バブー氏は、偽情報が社会の分断をいかに煽り、特定のコミュニティにどれだけ深く浸透しているかを分析することの重要性を強調しました。

カナダは多文化主義国家であり、多くのディアスポラコミュニティが存在します。彼らは故国との文化的・感情的なつながりが深く、その思いが情報操作の標的となりやすいという側面があります。故国の政治に関する偽情報やプロパガンダが、彼らの間で拡散され、それが移住先の世論や選挙に影響を与えるリスクがあるのです。

カナダ大使館イベントの会場風景。壇上には日本の国旗とカナダの国旗が並び、講演者用の椅子が設置されている。

日本の選挙に潜む「見えない」危険

では、日本はどうか。これまでの日本の選挙は、比較的情報操作の影響が少ないとされてきましたが、決して安全だとは言えません。

外国勢力の選挙介入は、SNSの偽・誤情報にとどまりません。特定の政治的意見を無数の自動アカウント(ボット)で「いいね」やシェアすることで、その投稿が非常に注目されているかのように見せかけ、民意を捏造する手口も問題になっています。

この種の詐欺的な拡散に対し、投稿内容を政府が直接判断すると、表現の自由の問題が生じます。しかし、情報が人為的に操作され、公正な情報流通が妨げられる状況は民主主義の根幹に関わる問題です。投稿内容の真偽ではなく、その拡散方法が詐欺的であるかどうかという観点から、対応を検討する必要があります。

イベント後の交流会でワイングラスを片手に微笑む筆者、榊原平。背景にはカナダと日本の国旗が見える。

(写真:交流会にて、筆者 榊原平)

講演中の桒原響子氏(中曽根平和研究所)。壇上でマイクを持ち、プロジェクターに「外国による情報操作と日本の対策」というタイトルと氏名が表示されている。聴衆の後頭部が写っている。

偽情報と向き合うために

今日のイベントは、政府や専門機関の対策だけでなく、私たち一人ひとりが「情報リテラシー」を高めることの重要性を強く訴えかけていました。

偽情報は、民主主義の根幹を揺るがす静かなる脅威です。次の選挙で私たちの「一票」を守るためにも、この問題について継続的に学び、賢く情報と向き合うことが不可欠だと感じました。

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