8月10日国連大学対談シリーズ:中満泉事務次長が語る軍縮と平和のための次のステップ

中満泉さんとは？

中満泉さんは、1963年生まれの日本の国際連合職員です。

彼女は、一橋大学教授などを経て、日本人女性初の国際連合事務次長として軍縮担当（UNODA）上級代表を務めています。

中満泉事務次長は、1963年生まれの日本人女性で、一橋大学教授などを経て、2017年に国連事務次長兼軍縮担当上級代表に就任しました。彼女は、日本人女性初の国連事務次長として、国連軍縮局（UNODA）を率いています。UNODAは、核兵器やその他の大量破壊兵器の廃絶や管理、地域的な軍縮や安全保障協力、透明性や信頼醸成措置などの分野で、国連加盟国や他の利害関係者と協力して活動しています。

彼女は、早稲田大学法学部を卒業後、ジョージタウン大学で修士号を取得しました。その後、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）に入所し、湾岸戦争やボスニア紛争などの最前線で人道支援に従事しました。

その経験から、彼女は「戦争は人間の尊厳を奪うものであり、戦争を防ぐことが最も重要だ」という信念を持つようになりました。

彼女はまた、国連平和維持活動（PKO）局で政策部長やアジア・中東部長を務めたほか、国連開発計画（UNDP）危機対応局長や難民・移民サミット特別顧問なども歴任しました。

対談では、中満泉事務次長が軍縮の現状と課題についても語りました。

彼女はまた、核兵器禁止条約（TPNW）についても言及しました。TPNWは、2017年に国連で採択された条約で、核兵器の開発、試験、生産、保有、使用などを全面的に禁止するものです。彼女は、「TPNWは核兵器廃絶への国際社会の強い意志を示すものであり、NPTと補完的な関係にある」と評価しました。

対談では、中満泉事務次長が日本の役割についても触れました。彼女は、「日本は唯一の被爆国として、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを発揮することができる」と認めました。彼女は、「日本は広島や長崎の被爆者の声を世界に届けることや、核兵器廃絶に関する教育や啓発活動を行うことなどで貢献してきた」と称賛しました。彼女は、「日本は今後も核兵器廃絶のための架け橋としての役割を果たし、核兵器を持つ国々や持たない国々の対話や協力を促進することが重要だ」と提言しました。

中満さんは東京都出身で、フェリス女学院高等学校在学中より国連職員を志しました。1987年に早稲田大学法学部を卒業し、1989年にアメリカ合衆国ジョージタウン大学外交大学院修士課程でマデレーン・オルブライトの指導で修士（国際関係論）の学位を取得しました。同年、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR)に入所しました。

国連大学学長のチリツィ・マルワラ氏