名古屋能楽堂 新春謡初め2026 五流派が揃う感動の伝統芸能

能舞台を背景に立ち、カメラを見て微笑む、黒いスーツに赤いネクタイ姿の榊原平氏の全身写真。
能舞台の前で。榊原平です。

2026年元旦の賑わいも冷めやらぬ1月2日、冬の澄み切った空気の中、名古屋城正門前にある名古屋能楽堂へと足を運びました。目的は、新春恒例の「新春謡初め」の鑑賞です。

江戸時代、尾張藩の藩主の前で執り行われた「謡初め」の儀式を今に伝えるこの催しは、名古屋が誇るべき文化遺産です。

2026年1月2日に開催された名古屋能楽堂『新春謡初め』の案内チラシ。紅白の祝い模様と大きな手毬のイラストと共に、『五流派揃い踏み』や出演者、演目の案内が記載されている。
新春の華やぎを感じさせるのチラシ。

能楽堂周辺は、復元された名古屋城本丸御殿や正門の白壁が美しい、落ち着いた景観が広がっています。木々の間から見える天守閣を眺めながら、これから始まる舞台への期待に胸を膨らませました。

名古屋能楽堂「新春謡初め」の歴史と2026年の開催概要

する重要な場です。毎年正月に開催されるこの公演は、格式高い雰囲気の中で、広く市民が伝統文化に触れられる素晴らしい仕組みが整っています。

2026年は、観世・宝生・金春・金剛・喜多の「五流派」が揃い踏みする贅沢な構成となりました。会場となる名古屋能楽堂(外部リンク:名古屋市文化振興事業団)は、世界最大級の能楽専用の公立劇場であり、総檜造りの舞台は圧巻の一言です。

曇り空の下、木々の間から見える名古屋城天守閣。手前には能楽堂周辺の白い壁の建物がある。
能楽堂周辺から望む名古屋城。冬の静かな佇まいです。

歴史を紡ぐ、総檜造りの能舞台

能楽堂の建物に入ると、檜の香りが優しく漂います。客席の目の前には、総檜造りの立派な能舞台が鎮座しています。この日のために用意された鏡板の松の絵、そして舞台前一面に敷き詰められた白砂。数百年の歴史を持つ伝統芸能の格式を感じさせ、新年にふさわしい清冽な空気に包まれています。

名古屋能楽堂の総檜造りの能舞台。背景には緑の松の絵が描かれ、舞台の前には白砂が敷き詰められている。客席の照明が点灯している。
総檜造りの名古屋能楽堂能舞台。

江戸時代、尾張藩の藩主の前で行われた「謡初め」の式楽の伝統を継承するこの催し。私も新年らしく黒スーツに身を包み、身の引き締まる思いで開演を待ちました。

能舞台を背景に立ち、カメラを見て微笑む、黒いスーツに赤いネクタイ姿の榊原平氏の全身写真。
能舞台の前で。榊原平です。

五流派揃い踏み。伝統が紡ぐ静謐なエネルギー

13時の開演と共に、舞台は観世、宝生、金春、金剛、喜多という能楽の五流派が一同に会する贅沢なひとときへと変わりました。

  • 荘厳なる幕開け 観世流・久田三津子氏らによる連吟「四海波(しかいなみ)」で幕を開けた舞台は、天下太平を祝う荘厳な響きで会場を満たしました。
  • 囃子方の緊迫感と調和 竹市学氏(笛)、河村眞之介氏(小鼓)、加藤洋輝氏(大鼓)といった各楽器の第一人者たちが作り出す囃子は、一音一打に宿る緊迫感と調和が素晴らしく、檜の舞台に命を吹き込んでいるかのようでした。
  • 祝言の舞と福を招く笑い 吉沢旭氏(観世流)の「高砂」や長田郷氏(喜多流)の「羽衣」など、祝言の仕舞が次々と披露され、その優美な姿に魅了されました。また、和泉流の佐藤友彦氏、今枝郁雄氏による狂言小舞「夷大黒(えびすだいこく)」では、福を呼び込むような明るい笑いに包まれ、新春らしい華やいだ雰囲気となりました。

約1時間の凝縮された時間の中で、伝統芸能が紡ぐ「静謐なエネルギー」に触れ、2026年を歩む新たな活力を得ることができた、実に有意義な時間でした。

鑑賞後の楽しみ 能楽堂周辺の散策と甘味

素晴らしい舞台の余韻に浸りながら、能楽堂周辺を少し散策。その後、近くの甘味処でひと息つきました。

いただいたのは、濃い緑が美しい抹茶と、ふっくらとしたあんバターパンです。能舞台の緊張感から解き放たれ、温かい抹茶の苦味と甘味のハーモニーが、心と体に優しく染み渡る素晴らしいひとときでした。

木製のトレイに載せられた抹茶とあんバターパン。白い和食器に入った抹茶と、白いお皿に載ったあんバターパン。手前には小さなお菓子が添えられている。
鑑賞後にいただいた抹茶とあんバターパン。心休まる時間でした。

伝統文化の奥深さを再認識し、五感を満たす素晴らしい一年の始まり。来年もぜひ訪れたいと思います。

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